ゲーム開発の備忘録

趣味のゲーム開発でのノウハウや、技術的に嵌ったポイントを忘れないように書き記しておくブログです。

moe-gradle pluginのタスクを実行してIntel MOEプロジェクトのビルドや実行を行う

Intel MOEについては以下の記事を参照してください。

deep-verdure.hatenablog.com

また、Intel MOEのプロジェクトをGradle 5.1.1でビルドする方法については以下を参照してください。

deep-verdure.hatenablog.com

はじめに

Intel MOEのプロジェクトについてGradle 5.1.1以上でビルドする時などは、
IDEのMulti-OS Engine Pluginを未適用状態にするか、アンインストールする必要があります。

そうなると、Intel MOEプロジェクトにおけるビルドや実行は、
moe-gradle pluginで定義されるタスクを直接起動して実施する必要があります。

本記事では、moe-gradleのタスクを実行してビルドやアプリケーションの実行などの各種操作を行う方法を説明します。

Xcodeアップデート時の対応

Xcodeをバージョンアップした場合、他のタスクを実行するよりも前にmoeUpdateXcodeSettingsを実行する必要があります。

IPAの作成

IPAを作成するには、moeIpaBuildを実行します。これは今までも使用していたかと思いますが、念のため掲載しておきます。

シミュレータでのアプリケーションの実行

シミュレータで実行するには、まずmoeListSimulatorsを実行し、利用可能なシミュレータの一覧を取得します。
以下に実行例を簡略化して示します。
(UDIDは全てXXXXXXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXXXXXXXXXXに置き換えています)

./gradlew moeListSimulators

Available Simulators:
- XXXXXXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXXXXXXXXXX - iOS 12.4 - iPhone 5s
- XXXXXXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXXXXXXXXXX - iOS 12.4 - iPhone 6
- XXXXXXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXXXXXXXXXX - iOS 12.4 - iPhone 6 Plus
- XXXXXXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXXXXXXXXXX - iOS 12.4 - iPhone 6s
- XXXXXXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXXXXXXXXXX - iOS 12.4 - iPhone 6s Plus
- XXXXXXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXXXXXXXXXX - iOS 12.4 - iPhone 7
- XXXXXXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXXXXXXXXXX - iOS 12.4 - iPhone 7 Plus
- XXXXXXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXXXXXXXXXX - iOS 12.4 - iPhone 8
- XXXXXXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXXXXXXXXXX - iOS 12.4 - iPhone 8 Plus
- XXXXXXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXXXXXXXXXX - iOS 12.4 - iPhone SE
- XXXXXXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXXXXXXXXXX - iOS 12.4 - iPhone X
- XXXXXXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXXXXXXXXXX - iOS 12.4 - iPhone Xs
- XXXXXXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXXXXXXXXXX - iOS 12.4 - iPhone Xs Max
- XXXXXXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXXXXXXXXXX - iOS 12.4 - iPhone Xʀ
- XXXXXXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXXXXXXXXXX - iOS 12.4 - iPad Air (3rd generation)
- XXXXXXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXXXXXXXXXX - iOS 12.4 - iPad Air
- XXXXXXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXXXXXXXXXX - iOS 12.4 - iPad Air 2
- XXXXXXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXXXXXXXXXX - iOS 12.4 - iPad (5th generation)
- XXXXXXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXXXXXXXXXX - iOS 12.4 - iPad Pro (9.7-inch)
- XXXXXXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXXXXXXXXXX - iOS 12.4 - iPad Pro (12.9-inch)
- XXXXXXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXXXXXXXXXX - iOS 12.4 - iPad Pro (12.9-inch) (2nd generation)
- XXXXXXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXXXXXXXXXX - iOS 12.4 - iPad Pro (10.5-inch)
- XXXXXXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXXXXXXXXXX - iOS 12.4 - iPad (6th generation)
- XXXXXXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXXXXXXXXXX - iOS 12.4 - iPad Pro (11-inch)
- XXXXXXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXXXXXXXXXX - iOS 12.4 - iPad Pro (12.9-inch) (3rd generation)

以上のように、シミュレータのUDIDが列挙されますので、利用したいシミュレータのUDIDを控えておきます。

次に、moeLaunchを実行してアプリケーションを実行させます。
moeLaunchのオプションとして -Pmoe.launcher.simulators=<シミュレータのUDID> を付加することで、シミュレータでアプリケーションを実行できます。

なお、シミュレータで実行する場合はデバッグ実行をすることはできませんのでご注意ください。

実機でのアプリケーションの実行

実機での実行時にも、まずは利用可能なデバイスのUDIDを取得します。
アプリケーションを実行させたい端末をMacに接続し、moeListDevicesを実行します。
moeListSimulators実行時と同様にUDIDが列挙されますので、利用したい端末のUDIDを控えておきます。

次に、moeLaunchでアプリケーションを実行します。
オプションとして -Pmoe.launcher.devices=<デバイスのUDID> を付加することで、実機でアプリケーションを実行できます。
デバッグ実行をさせたい場合は、さらに -Pmoe.launcher.options=debug:5005 を付加して実行してください。

なお、当然ですが、先にApple Developers Siteで、利用したい端末を端末登録しておく必要があります。

※-Pmoe.launcher.simulators、-Pmoe.launcher.devicesのどちらも付加しなかった場合は、利用可能な端末やシミュレータを検出して実行すると公式ドキュメントに記載されていますが、実際にはmoeLaunchが95%に達してから先に進まなくなります。必ず-Pmoe.launcher.simulators、-Pmoe.launcher.devicesのどちらかは付加しておきましょう。

公式ドキュメント

moe-gradleには、ここで紹介した以外にも様々なタスクやオプションが用意されています。
気になった方は、以下のmoe-gradleのGitHubリポジトリのReadme.mdをご確認ください。

github.com