ゲーム開発の備忘録

趣味のゲーム開発でのノウハウや、技術的に嵌ったポイントを忘れないように書き記しておくブログです。

Intel MOEのプロジェクトをGradle5.1.1でビルドする

Intel MOEについては以下の記事を参照してください。

deep-verdure.hatenablog.com

はじめに

Intel MOEをGradleでビルドする際は、build.gradleのbuildscriptのdependenciesで、moe-gradle pluginをimplementationしておく必要があります。
しかし、このmoe-gradle pluginは、2018年2月のver 1.4.4のリリースを最後に更新されなくなってしまいました。
その後、Gradleのバージョンが上がり、ver 5.1.1に達したところで、Intel MOEのプロジェクトはビルドできなくなってしまいました。

本記事では、Intel MOEのプロジェクトをGradle 5.1.1でもビルドできるようにする方法を紹介します。

コミュニティ版のmoe-gradle pluginの導入

moe-gradle pluginの公式リリースは止まってしまいましたが、Intel MOEはOSSであり、コミュニティの有志によってmoe-gradle pluginのアップデートが行われています。
コミュニティのユーザフォーラムは以下からアクセスできます。
discuss.multi-os-engine.org

Is Multi Os Engine alive?という悲痛なスレッドも建てられています……

2019年7月6日に、ver 1.4.5がコミュニティ版として公開されました。このバージョンを適用することで、Gradle 5.1.1でもIntel MOEのプロジェクトをビルドできるようになります。
ver 1.4.5の更新内容や適用方法が掲載されているスレッドは以下です。
discuss.multi-os-engine.org

なお、2019年1月19日にもver 1.4.4-Cがコミュニティ版のmoe-gradle pluginとしてリリースされています。ver 1.4.4-Cの更新内容もver 1.4.5に引き継がれているので、更新内容をチェックしておくと良いでしょう。
1.4.4-Cの更新内容が掲載されているスレッドは以下です。
discuss.multi-os-engine.org

コミュニティ版のプラグイン利用時の注意点

ver 1.4.4-C以降を利用する場合、必ずAndroid StudioのMulti-OS Engine Pluginを未適用状態にするか、アンインストールしてください。
Multi-OS Engine Pluginが適用されたままビルドしようとすると、既存プロジェクトを認識できなくなったり、ビルドがエラーメッセージ無しで失敗する等の現象が発生します。

Multi-OS Engine Pluginが利用できないため、ビルドはGradleのタスクをCLIで直接起動することになります。
Intel MOEのプロジェクトをCLIで操作する場合のIPAビルド、エミュレータや実機でのアプリケーション実行・デバッグの実施方法については、以下の記事を参照してください。

deep-verdure.hatenablog.com

余談

開発が終了し放置されていたRoboVMのGitHubリポジトリですが、1~2ヶ月前くらいからちょこちょこと更新が入っています。
compilerやpluginなど、メインの箇所に更新が入っているため、そのうち復活するのかもしれません。今のところrobovm-gradle-pluginの更新はありませんが、今後に期待です。